名古屋水素技術フェア(開催報告)

水素エネルギーの普及促進を図るため、水素関連技術や水素の利活用に向けた取り組みなど、特色ある技術・製品を有する企業が出展する展示会「名古屋水素技術フェア」を名古屋商工会議所と連携して開催します。

開催報告

セミナー

水素を活用する新しいエネルギーシステム構築のための研究開発を推進されているNEDOの大平氏、世界で初めて家庭用給湯器における水素100%燃焼の技術開発に成功したリンナイ株式会社の鈴木氏をお招きし、水素エネルギーを取り巻く最新状況や最先端の取り組みをご紹介頂くセミナーを開催しました。
NEDOの大平氏からは、エネルギー需給のバランシングや世界的な再生可能エネルギーの偏在解消などといった水素に期待される役割、諸外国における水素戦略の動向、日本における政策動向や利活用技術の広がりなど、水素エネルギーを取り巻く情勢に関する貴重なお話を頂きました。
また、リンナイ株式会社の鈴木氏からは、カーボンニュートラル実現に向けた同社の商品開発ロードマップ、逆火耐性の向上や火炎を検知する技術といった水素燃焼技術開発におけるポイント、また国内外で展開する実証の進捗をお話しいただきました。
ご来場の皆様も、国内だけでなく、世界的な関心を集める水素エネルギーの最新動向に関するご講演に真剣に聞き入り、好評のうちに終了いたしました。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 大平氏(2024年1月22日)

リンナイ株式会社 鈴木氏(2024年1月23日)

展示会 (2024年1月22-23日)

水素エネルギーの普及促進を目的に、水素関連技術や水素の利活用に向けた取り組みなど、特色ある技術・製品を有する11者が出展する水素技術に特化した展示会を実施しました。展示会には1月22~23日の2日間を通して738名の方にご来場いただきました。

水素エネルギーのサプライチェーンのシーン別(つくる・つなぐ・つかう・ささえる)に設けた展示では、多くの方に時代を先取る水素関連技術や取り組みに触れていただき、ご来場いただいた方からは「国内企業の水素技術がここまで進んでいるとは思いませんでした」などのお声も頂きました。

シーン別の出展の様子は以下の通りです。(出展者名順不同・敬称略)

サプライチェーン

川崎重工業株式会社

川崎重工業株式会社からは、サプライチェーン全体にわたる技術をご紹介頂きました。再エネ・化石燃料由来の水素製造や水素液化システム、世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」や2030年ごろの商用化を目指す大型液化水素運搬船、世界初となる液化水素荷役実証ターミナル「Hy touch 神戸」や水素コージェネレーションシステムなど、未来の水素社会の姿を一目で見ることができる展示していただきました。

つくる

株式会社アルマックス

株式会社アルマックスからは、アルマイト処理(アルミニウムの陽極酸化処理)の過程で発生する副生水素の回収と利活用に関する同社の研究開発について、模型や展示品を用いたご紹介をいただきました。

株式会社デンソー(ジオラマ出展)

株式会社デンソーからは、高温動作により高効率な水素製造を実現する装置SOEC(固体酸化物形水電解用セル)をはじめとする同社のカーボンニュートラル技術が活用された工場のジオラマを展示いただき、将来の水素によるカーボンニュートラル実装のイメージを体感いただけました。

日本特殊陶業株式会社

日本特殊陶業株式会社からは、同社が開発するSOEC(固体酸化物形水電解用セル)をセルスタックの展示と併せてご紹介いただくとともに、水素社会・炭素循環社会の形成促進に向けた同社の取り組みをご紹介いただきました。

株式会社中央製作所

株式会社中央製作所からは、特に水電解による水素製造装置に欠かせない高電圧直流電源装置について、大型モニターによる動画を用いて詳細な説明をいただきました。

つなぐ

明治電機工業株式会社

明治電機工業株式会社からは、同社が豊田支店で取り組む、太陽光発電の余剰電力を活用した水素の製造・貯蔵・利活用システムによる、電力ピークカットや災害時における地域電力供給に関する実証「脱炭素社会構築に向けた再エネ等由来水素活用推進事業」について、パネルを用いたご紹介をいただきました。

つかう

東邦ガス株式会社(ジオラマ出展)

東邦ガス株式会社からは、同社が取り組む水素ステーションについて、「とよたエコフルタウン水素ステーション」のジオラマを用いたご紹介をいただきました。

ブラザー工業株式会社

ブラザー工業株式会社からは、宅配便でも運べる水素吸蔵合金を用いた水素ボンベの展示とともに、同ボンベを使用する水素燃料電池・蓄電池ハイブリッドUPSをはじめとした同社の水素利活用推進の取組み「PureEne」をご紹介いただきました。なお展示された水素ボンベは、展示会場まで実際に宅配便で届けられました。

リンナイ株式会社

リンナイ株式会社からは、同社が取り組む、家庭用給湯器における水素100%燃焼技術の開発状況についてご紹介をいただきました。長年蓄積してきた燃焼技術、流体制御技術についてエンジニアの方自らご説明をいただきました。

株式会社横井機械工作所

株式会社横井機械工作所からは、脱炭素社会の実現に向けて開発を進めている水素・アンモニア専焼バーナーについて、燃焼の様子を収めた動画を用いてご紹介をいただきました。同社の開発する水素専焼バーナーでは、既存バーナーから一部の部品交換だけで水素専焼対応が可能になるとのご紹介がありました。

ささえる

環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 地球温暖化対策事業室

環境省からは、同省が推進する脱炭素化に向けた水素サプライチェーン構築について、パネルを用いて同省が支援する様々な実証事業のご紹介をいいただきました。
これまでにどの様な事業が実証されてきたか、またどの様な事業が採択されているのかなど、支援の仕組みに関する多くの質問にご回答を頂きました。

いずれの展示においても、時代を先取る水素技術やそれを支える取り組みについて、多くの方が熱心に説明を聞かれており、ご出展頂いた皆様とご来場いただいた皆様の双方にとって有意義な時間を過ごしていただきました。

名古屋市では、水素社会の実現に向けた市の役割や取り組みを「名古屋市水素アクション」として発信しています。今後も本ウェブサイトにて、水素エネルギーの普及に向けたイベント等の告知を行って参りますので、ぜひご覧ください。

開催概要

開催期間 2024年1月22日(月)13:00 ~ 17:00
23日(火)10:00 ~ 17:00
会場 セミナー:名古屋商工会議所ビル 2Fホール
展示会:名古屋商工会議所ビル 5F会議室D
参加方法 参加費無料 / 事前申込制
(セミナーは定員 各150名・先着順)
申込方法 申込は終了しました。たくさんのお申込ありがとうございました。

セミナー

1月22日15時30分~16時10分
「水素を取り巻く最新状況とNEDOの技術開発の取組み」

講師
大平 英二氏
  • 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
    スマートコミュニティ・エネルギーシステム部 ストラテジーアーキテクト

講師紹介

1992 年東京理科大学理学部卒、同年NEDO入構。NEDO蓄電技術開発室⾧などを経て、2013年4月より燃料電池・水素分野を担当。水素エネルギーの普及展開に向け、「福島水素エネルギー研究フィールド」(FH2R)をはじめ、次世代の燃料電池や、水素を活用する新しいエネルギーシステム構築のための研究開発を推進するとともに、国内外で情報発信に努める。


1月23日16時00分~16時40分
「リンナイのカーボンニュートラルに向けた取り組みと水素給湯器の開発」

講師
鈴木 陽介氏
  • リンナイ株式会社 開発本部 技術開発部 研究開発室 主査

講師紹介

2006年群馬大学大学院工学研究科生物化学工学専攻修了。同年リンナイ株式会社に入社。開発本部燃焼技術開発室でガス器具に搭載するバーナ開発に従事する。2年間のリンナイアメリカ出向の後、2015年より開発本部技術統括管理室で海外製品の認証規格や技術動向の調査に携わり、2023年5月より現職。

出展企業

サプライチェーン

  • 川崎重工業株式会社

    • 製造
    • 輸送
    • 貯蔵
    • 利活用

    水素サプライチェーン全体の技術を具体的な実証事例とともに紹介

つくる

つなぐ

  • 明治電機工業株式会社

    • 製造
    • 貯蔵
    • 利活用

    水素社会実現に向けた様々な水素利活用のソリューションを提供致します

つかう

ささえる

支援制度に関する相談会(被災地対応につき中止となりました。ご了承ください。)

環境省 中部地方環境事務所 地域脱炭素創生室

概要 環境省は、地域における再エネ由来の水素について、 その生産・貯蔵・輸送に係る設備への補助事業やサプライチェーン構築に関 する実証事業を行っています。
ご来場の皆様方からのご相談をお待ちしております。
日時 1月22日(月)13:00~15:00
1月23日(火)10:00~12:00
会場 名古屋商工会議所ビル5F 会議室D(展示会場内)
備考 事前申込不要
(ご相談対応状況次第ではお待ちいただく可能性がございます)