「名古屋市水素アクション」作成の社会的背景

世界が水素に寄せる期待

パリ協定をきっかけにカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが世界的に加速する中、多様な資源から製造でき、製造方法次第でカーボンフリーなエネルギーとなり、発電、輸送、産業等といった幅広い分野で活用ができる水素には、カーボンニュートラル実現のカギとなるエネルギーとして大きな期待が寄せられています

我が国のカーボンニュートラル実現に向けた切り札としての水素

我が国は2017年12月に、2050年を視野に入れ、水素社会実現に向け官民が共有すべき方向性・ビジョンを示した「水素基本戦略」を世界に先駆けて策定しました。その中で、低コストな水素利用の実現や国際的サプライチェーンの開発など、水素をカーボンフリーなエネルギーの新たな選択肢として位置づけ、政府として施策を展開していくための方針を打ち出しました。これ以降2022年までに、25の国・地域が水素戦略を策定しており、我が国は世界の水素社会構築への牽引役を担ってきました。2023年6月には6年ぶりに改定され、発電、燃料電池、熱・原料利用といった各分野における水素の社会実装の早期実現に向けた基本戦略を示すとともに、世界の水素市場が2050年までに年間2.5兆ドルの収益と3,000万人の雇用を創出すると予測されていることを踏まえ、その取り込みを念頭に置き、我が国の水素コア技術が国内外の水素ビジネスで活用される社会を目指す「水素産業戦略」が盛り込まれました。

また、2024年10月に「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律」(水素社会推進法施行されました。2050年カーボンニュートラルに向けて、脱炭素化が難しい分野においてもGXを推進し、エネルギー安定供給・脱炭素・経済成長を同時に実現する必要性があることから、水素社会推進法に基づく「価格差に着目した支援」や「拠点整備支援」などの支援措置や規制の特例措置が講じられることで、低炭素水素等の活用が促進されるとともに、低炭素水素等のサプライチェーンの構築を早期に推し進め、世界で拡大しつつある低炭素水素等の市場を獲得していくことが重要であるとされています。

  • 「水素基本戦略」改定のポイント